プロフィール
宮本邦久氏は1998年に慶応義塾大学SFC卒業後、日商岩井(現・双日)に入社。2000年にベンチャーキャピタルITXへ転籍し、2004年にネットマーケティングを創業して代表取締役に就任。2012年に婚活アプリ「Omiai」をリリースし、2019年に東証一部上場を達成。2022年に米国ベインキャピタルへのTOB後に退任し、エンジェル投資家として本格始動した。
宮本さんについて
2024年2月時点で投資総額3.6億円、587社と面談し21社に投資。2030年までに60社・10億円の投資を計画している。ネットマーケティングではtoB広告事業を18年、toCのOmiaiを約10年運営し、ジャスダック→東証二部→東証一部と昇格。2023年は201社の起業家と会い5社に出資した。
エンジェル投資を始めたきっかけ
中学生時に映画『ウォール街』を観て投資家に憧れた。主人公ゴードン・ゲッコーの自由な姿に強く惹かれたという。就活で投資銀行を検討したが朝7時出社と聞き、当時朝11時起きだったため断念し商社へ入社。その後ITXに転籍して投資と事業の両面を経験し、25歳頃にエンジェル投資家になる決意を固めた。
起業・上場が最短ルートだと判断しネットマーケティングを創業した。
エンジェル投資家になってみてどうか
人生の至福の時を迎えています
自分の判断と責任で投資でき、個性を発揮しながら自由に生きていると実感。2018年から起業家に会い始め、退任前に約360社と面談済みだった。専門領域はIT・WEBサービス分野で、toBではコンパウンド型SaaS、toCでは新市場プラットフォーム事業に出資している。
投資判断と投資先との関わり方
市場規模・スケーラビリティ・参入タイミング・マーケットフィット・起業家の人柄を総合評価。上場を目指すユニコーン候補に絞り、5年後に市場1000億円超の新市場テーマを重視。ユニットエコノミクスの解像度、業界1位のポテンシャル、BtoBなら営業力、BtoCならマーケティング力を見る。
チケットサイズは年間6社・合計1億円。内訳は2000万円×3社(堅実な企業)、500万円×3社(荒削りだがハイリターン候補)、既存投資先フォローオン2500万円。
こういう案件こそ、個人でリスクをとれる私のようなエンジェルが投資しなきゃ誰が投資するんだ
500万円枠についてはこの信念で出資している。
関わり方は基本ハンズイフ。壁打ち・顧客紹介・メンタルケアなど様々だが、資金調達難の時代には他エンジェルやVCへの橋渡しが最も求められていると感じ、ネットワーク構築に注力している。
魅力を感じる起業家
ユニコーンをエベレスト登山に例える。偶然ユニコーンになることはなく、鋼のメンタル・体力、魅力ある事業領域、大型資本政策、優秀なチーム、運という「覚悟」と「準備」が必要だと語る。自身は上場の山には登れたがユニコーンの山には届かなかったため、その景色を見せてくれる起業家に出会いたいという。
社長に求めるのはパッション・熱狂、視座の高さ、アイデア、ビジョン、専門性、可愛げ、チームワーク、マネジメント力。創業メンバーにはピボット力、行動力、エクセキューション力、GRIT力、チームでの成果創出思想、そして最重要として人としての誠実さを挙げている。
今後の展望とメッセージ
上場企業社長からエンジェル投資家への転身という新たなロールモデルを作りたいと語る。日本ではこのパターンが少ないが、エンジェル投資市場が日本の350倍あるアメリカでは広く浸透している。0→1が得意な起業家、1→10の事業家、10→100の経営者はタイプが異なり、適切なタイミングでバトンタッチすることでエコシステムの成長が加速すると主張。
起業家へは、自身の20代からの起業経験とハードシングスの乗り越え方を伝えたいとし、ユニコーンを目指す覚悟と準備のある起業家からの連絡を歓迎。
自分の幸せは何なのか真剣に見つめて、向き合って、行動していってください
幼少期から自分らしく自由に生きたいと願い続け、映画をきっかけに投資家を志した自身の経験を踏まえ、このメッセージで締めくくっている。