宮本邦久 Angel Investor
投資の考え方

投資方針

シード期を中心に、上場を目指す起業家へ個人資金を投資しています。投資の考え方、評価基準、プロセスについてまとめました。

投資哲学

なぜ投資するのか

「エンジェル投資を通して、自分が見れなかった景色を見たい。」

ネットマーケティングをゼロから創業し、東証一部上場、そしてベインキャピタルによる135億円でのTOBを経て、フルタイムのエンジェル投資家に転身しました。私の投資の目的は、財務的なリターンだけではありません。次世代の上場企業を創る起業家と共に歩み、その景色を一緒に見ることです。

私の投資スタイルは「Hands-if」——必要なときにいつでも相談できるが、日常の経営には干渉しない。起業家が自由に事業を推進できる環境を大切にしています。資本政策、IPO準備、資金調達の紹介、組織課題など、求められたときに全力でサポートします。

投資ステージ

どのフェーズに投資するか

主にシード期を中心に、プレシード・シリーズAにも選択的に投資しています。

アーリー

プレシード

MVPがなくても大丈夫です。市場への確信と明確な仮説があれば、ぜひお話を聞かせてください。VCが入れないこのフェーズこそ、エンジェルの出番です。

メインフォーカス

シード

私の投資の中心です。初期トラクションやプロトタイプがあり、本格的な資金調達を開始するタイミング。最も多くのチェックを切るのがこのステージです。

選択的

シリーズA

事業との親和性が高い場合、機関投資家(VC)との共同投資で参加します。多くの場合、既存のシード投資先へのフォローオン投資です。

資金配分

チケットサイズと年間投資額

年間約1億円を6社の新規投資に加え、既存投資先へのフォローオン投資に充てています。

Tier 1
2,000万円 × 3社
ある程度事業が進んでおり、VCからのフォローオンが見込める企業。リスクは相対的に低め。
Tier 2
500万円 × 3社
粗削りだがハイリスク・ハイリターン。VCがまだ入れない領域で、エンジェルこそが出番のフェーズ。
フォローオン
約2,500万円を確保
順調に成長している既存投資先への追加投資枠。
年間合計
約1億円 / 年
新規6社+フォローオン。すべて個人資金での投資。
注力セクター

投資対象の業界

コンパウンドSaaS(toB)と新市場プラットフォーム(toC)を二大テーマに、IT/Web領域を幅広くカバーしています。

コンパウンドSaaS(toB) 新市場プラットフォーム(toC) AI DX マッチング EC / D2C フィンテック エンターテインメント メディア コミュニティ シェアリングエコノミー
投資基準

スタートアップに求める6つの条件

投資判断において重視する6つの評価軸。

01 · 市場

5年以内に市場規模1,000億円超

大きな市場を狙っていること。TAMが5年以内に1,000億円を超えない場合、ユニコーンに到達するための天井が低すぎます。

02 · 志

ユニコーン候補のポテンシャル

時価総額1,000億円以上を目指せる企業を求めています。IPOや大きなエグジットを視野に入れた、野心的なビジョンが必要です。

03 · 経済性

ユニットエコノミクスへの深い解像度

シード期であっても、LTV・CAC・回収期間を深く考え抜いていること。スケール時の収益性への道筋が見えるかどうかを重視します。

04 · ポジション

業界No.1になれるポテンシャル

そのカテゴリーで圧倒的なポジションを取れるか。「生き残る」のではなく「勝ち切る」ことを目指す起業家を応援します。

05 · GTM

BtoBなら営業力、BtoCならマーケティング力

良いプロダクトだけでは売れません。BtoBであれば営業の仕組み、BtoCであればユーザー獲得とグロース戦略を評価します。

06 · 人柄

人として誠実かどうか

何より大切なのは誠実さ。信頼できるか。投資は長期的な関係であり、人としての器がすべての土台となります。

起業家・チーム評価

起業家とチームに求めるもの

事業の数字だけでなく、その裏にいる「人」を見ています。

CEOに求めるもの

情熱・熱量

解決しようとしている課題に対して、燃えるような確信があるか。情熱は、避けられない困難な時期を乗り越える原動力になります。

視座の高さ

目の前の課題を超えて、より大きな機会を見据えているか。プロダクト単位ではなく、市場全体のスケールで思考できるか。

アイデア・ビジョン・専門性

市場に対する独自の洞察と深い業界知識、そして未来への説得力あるビジョンを持っているか。

可愛げ

人材や投資家、パートナーを惹きつけることができるか。最良の起業家は、人が応援したくなる魅力を持っています。

チームワーク・マネジメント力

個人の才覚だけでは不十分。チームを構築・率いることができるか。権限委譲、文化の醸成、自分以上のスケールを実現できるか。

チームに求めるもの

ピボット力

うまくいっていないことを認識し、素早く方向転換できるか。スタートアップが最初のプランだけで成功することは稀です。

行動バイアス

シード期では完璧さより実行スピードが重要。とにかく出す、学ぶ、改善する——そのサイクルを高速で回せるチームかどうか。

実行力・GRIT

スタートアップはスプリントの連続マラソン。困難にぶつかっても粘り強く前に進み続ける、そんな気概のあるチームを求めています。

チームで成果を出す哲学

個人のヒーロープレーではなく、チームとして結果を出せるか。最良のスタートアップは共同責任の文化を持っています。

投資対象外

投資対象にならないケース

お互いの時間を大切にするため、投資スコープ外のケースを明確にしています。

ビジネスモデル

純粋な受託・コンサルティング

時間を売るビジネスモデルは、良い事業にはなり得ますが、スケーラブルなプロダクトを構築するベンチャーリターンのプロファイルとは合いません。

スケール

地域限定のスモールビジネス

特定地域に限定され、全国展開やグローバル展開への道筋がない場合、私の投資テーゼとは合致しません。

マーケット

成長しない市場

市場が拡大していることが前提です。縮小・停滞している市場でシェアを奪い合う構図では、数学的に厳しくなります。

スタンス

短期エグジットのみ / 投資家との対話準備ができていない

短期的な売却だけを目的としている場合、もしくはビジネスについて本質的な議論をする準備ができていない場合は、方向性が合いません。

投資プロセス

初回コンタクトから投資まで

ご連絡いただいてから投資実行、投資後の支援までの流れ。

フォーム送信 / FB Messengerでの連絡

Webサイトのフォームから、またはFacebook Messengerからご連絡ください。会社名、ステージ、事業概要を添えていただけると助かります。

初期スクリーニング

送付いただいた内容を投資基準に照らして確認します。2週間以内に面談のご案内、またはフィードバックをお返しすることを目指しています。

面談(60分)

ピッチ15分、Q&A 30分、ネクストステップ15分。事業だけでなく、起業家ご自身を理解することを大切にしています。

追加資料の確認

面談がうまくいけば、事業計画書、資本政策表、市場分析の詳細、顧客データなど、追加資料をお願いすることがあります。

投資判断

判断は比較的早いです。個人のエンジェル投資家として、投資委員会はありません。自分の資金と確信に基づいて決断します。

契約・資金拠出

投資条件(一般的にJ-KISSまたは優先株式)を合意し、投資契約を締結、資金を送金します。

投資後の支援

ここから「Hands-if」が始まります。資本政策、VC紹介、IPO準備、組織課題など、私の経験が活きる場面でいつでもサポートします。

Xからの知見

市場と投資に対する考え方

@an0gel0 より、投資の考え方を反映した投稿を厳選。

2024年5月 SaaS経済性
SaaSビジネスの現実:月額ARPU 10万円(低いと1万円)。IPOには年商約20億円が必要。ARPUを上げるにはコンパウンドSaaSかエンタープライズ化が必須——そうでなければスケール時に数字が合わない。
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2025年9月 市場規模
TAM/SAM/SOM——正直、シード期にはSOM(短期的に獲得可能な市場)しか聞いていない。「1兆円のTAMです」というスライドではなく、現実的な直近の事業機会を見せてほしい。
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2024年5月 VCの力学
VCが投資しやすい領域:地方創生、既存産業DX、GO Global——LPが地銀、大企業、官公庁系ファンドだから。投資家のインセンティブ構造を理解することが大切。
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2025年11月 IPOトレンド
最近のIPOトレンド:主幹事証券がIPO時に時価総額200億円を目安にしてきている。私もこのポテンシャルを投資基準の一つとして見ている——その水準に現実的に到達できる企業かどうか。
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FAQ

よくある質問

どのステージから相談できますか?
プレシードから相談可能です。MVPがなくても大丈夫です。市場に対する確信と明確な仮説があれば、ぜひお話しください。実際、私のベスト投資の多くはプロダクト完成前の段階でのディスカッションから始まっています。
ピッチ資料が不完全でも相談できますか?
もちろんです。洗練された30ページのデッキは不要です。何を作っているのか、なぜ作っているのか、今どこにいるのか——現状を共有してください。紙ナプキンでピッチしてくれた起業家に投資したこともあります。大事なのは思考の質であり、体裁ではありません。
返信までどのくらいかかりますか?
初期スクリーニングは2週間以内を目指しています。面談を希望する場合は日程をご提案します。フィットしない場合はその理由をお伝えし、場合によっては他の投資家をご紹介することもあります。
地方・海外のスタートアップも対象ですか?
主な投資対象は日本のIT/Web系スタートアップですが、所在地に関わらずご相談は歓迎します。日本との接点がある事業や、戦略について議論したい起業家であれば、ぜひお話しましょう。
リードインベスターを務めることは可能ですか?
個人のエンジェル投資家として、伝統的な意味でのリードを務めることは通常ありません。ただし、VCや他のエンジェルと連携して、より大きなラウンドの組成をサポートすることは可能です。63社のVCと20名以上の著名エンジェルとつながっています。
VCを紹介してもらえますか?
はい——実はこれが投資先企業からの要望No.1です。63社のVCと20名以上の著名エンジェル投資家とのネットワークがあります。タイミングが合えば、ステージやセクターに最適な投資家への橋渡しを積極的に行っています。

ピッチの準備はできていますか?

上記の条件に合致するスタートアップ——大きな市場、ユニコーンへの野心、ユニットエコノミクスへの深い思考、そして誠実な起業家——からのご連絡をお待ちしています。プレシードからシードまで、ピッチ資料の有無は問いません。